• 2026年10月14日
  • 2026年9月29日

体が熱くなるCTと熱くならないCT

そもそも、CTって何?
CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)は、簡単に言うと、X線を体の周りからぐるっと撮って、輪切りの画像に再構成する検査です。X線の吸収の具合を数値化して白黒に割り当てるので白黒画像になります。

X線を使う(レントゲンと同じ、放射線を使います)
体を”輪切り”にして見る(レントゲンは一方向からの重なった影、CTは断面)
数秒〜10秒程度で全身を撮れる(近年の機種は特に高速)
痛みなし、高解像度

“体の中を、ぱっと切って中を見る”ような検査です。

「単純CT」と「造影CT」の違い
CTには大きく2種類あります。
① 単純CT(造影剤を使わない)
 そのまま撮る
 10秒程度で終了
 見えるものが限られる
② 造影CT(血管内に造影剤を注入する)
 ”ヨード造影剤”を注入しながら撮る
 血流に富む臓器・腫瘍が”染まって”見える
 見える情報量が、単純CTより格段に多い
 アレルギー・腎機能の負担などのリスクがある

なぜ造影が必要か?
“がん”や”炎症”は、正常組織より血流が豊富なことが多く、造影剤で “色濃く染まる” ように見えます。
染まり方の時間経過(動脈相・門脈相・平衡相)で、がんか良性の結節かなどを見分けていきます。
逆に言えば、単純CTだけでは”染まり方”が読めないため、多くの臓器で見えるものが限定的、ということです。

よく見えるなら毎回造影したらいいんじゃない?
造影剤は副作用の可能性があります。たとえばアレルギーが起きたり、喘息発作を誘発したり、腎臓に詰まって一時的に機能が落ちたりすることがあります。コラムタイトルの「体が熱くなる」のは造影剤に対しての生理的な反応なので、副作用ではありません。
副作用リスクに目をつぶってでも血流の情報が必要なのか、「見える情報量」と「リスク」を天秤にかけて選ぶのです。

例えば肺癌。肺は元から黒いスポンジ状に見えていますので、そこにできた塊をみつけるのに造影は必要ありません。でも膵癌は、膵臓の中に膵臓由来の腫瘍があっても「造影しないCT」では全く見えません。検査の目的に応じて依頼医師が判断します。

CTで胃癌や大腸癌わかりますよね?
と思われるかもしれませんが、CTは塊のなかの塊は認識できても、くしゃっとなった「管状の構造物」のなかの「塊」は認識できません。食事内容や便と腫瘍が区別できないのです(あきらかに大きいものはわかりますが)。
CTで見えるほどに進行してしまう前に腫瘍を見つけるには、やはり大腸カメラや胃カメラなどの内視鏡検査が必要になります。

当院にはCTがありません(設置スペース・コストの問題で、当面導入予定はありません)
一方で、当院でしっかりご提供できる画像診断もあります:
 腹部エコー(最新機・ATT/SWM搭載): 肝臓・膵臓・胆嚢・腎臓の評価
 胃カメラ・大腸カメラ : CTでは見えない早期の胃癌・大腸癌を、直接見にいく検査
CTが必要な方には、信頼できる連携先の施設にご紹介する形をとらせていただきます。

――――――――――――――――――――――――――
医療法人社団熊谷内科医院 副院長 熊谷 健(総合内科専門医/日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医/日本消化器病学会 専門医・指導医/日本肝臓学会 肝臓専門医/京都大学 医学博士)放射線科・消化器内科の両分野の視点で診療に携わり、大学院は肝臓グループに内視鏡を専門とする。国立病院機構京都医療センターや大津赤十字病院では胃カメラ(胃内視鏡検査)や大腸カメラ(大腸内視鏡検査)での食道癌・胃癌・大腸癌手術を主に担当。

熊谷内科医院 078-991-7115 ホームページ