- 2026年9月23日
- 2026年9月11日
腫瘍マーカーってなに?
採血項目に腫瘍マーカーというものがありますよね
「腫瘍マーカー」という名前なので腫瘍の特徴を検出しているような気になりますが、そうではありません。
① 腫瘍があれば、上がっていることが多い
② 腫瘍がなくても、上がることがある
③ 腫瘍があっても、上がらないことがある
つまり、高い=癌でもなければ、低い=癌なしでもありません。
これを理解しないまま数字だけを見ると、要らぬ心配や誤った安心を生みます。

本来の使い方
腫瘍マーカーの本来の使い方は、癌がある人の”個人の中での変化を追う”ことです。
例えば胃癌で手術を受けた方。術前 CEA 10だったのが術後に検出感度以下に低下したが、半年ごとの検査で徐々に 3、4、5 と上昇してきた。再発を疑い、CTや胃カメラの頻度を上げて精査する。
こういう場面です。これが、腫瘍マーカーの”教科書通りの使い方”です。
癌があれば高い・・・ことがある
「癌は特定の腫瘍マーカーが高くなることがあるため、腫瘍マーカーが高いということは癌があるんじゃないか」
たしかにそういう考え方はありです。症状は出ていないが腫瘍マーカーは高くなっている、という状態はありえます。
でも、腫瘍マーカーは癌でなくても上がります。癌だけが分泌している特殊な物質ではないからです。個人差もあります。ここをわかっていないと、腫瘍マーカーが高い体質の方は、「腫瘍マーカーが高いから癌があるに違いない(または癌があったらどうしよう)」という、要らぬ不安を抱きつづけることになります。
一時点の絶対値ではなく、あなた自身の経過での変化のほうが、意味があるのです。
「小さい早期がん」は、腫瘍マーカーでは見つからない
ここが最も大事な話です。
腫瘍マーカーは、”ある程度大きくなった癌”でないと上がりません。PET-CTも同じです。
つまり、”内視鏡で切除して治せる、早期の小さながん”は、腫瘍マーカーではまず見つからないのです。
“見えるものは、見にいく”。”見えにくいものは、マーカーで補う”。この使い分けが、当院の基本方針です。
特にマーカーが役立つ癌
前立腺癌はCTでもエコーでもほぼ見えません。PSAは、この癌を早期に拾い上げるための貴重な道具です。
一方で、マーカーがない癌もあります。腎臓癌は有用な腫瘍マーカーがない代表です。だから、腹部エコーや造影CTでしっかり見にいくことが大事です。
重要なのは胃カメラや大腸カメラ、レントゲン/CT、腹部超音波などの検査機器を使用して、腫瘍マーカーが上がる前に癌を見つけに行くことです。カメラ検査には多少の負担が伴うので、それができない方は腫瘍マーカーを補助的に使う、というのもありかもしれません。1回測って、高かったら念のため癌の検査をする。もしかしたらそれで手術ができる段階の癌が見つかる人がいるかもしれません。将来、上がってきたときに”元がいくらだった”が分かっていると、上昇傾向を早く捉えられます。
当院では、健診への上乗せ、単独での測定、経年フォローを承っています。
せっかくの健診で採血するなら少しだけ上乗せしたい、家族歴があって経年フォローを始めたい。
ご相談ください。
神戸市西区の健康診断・特定健診・企業健診|西神中央駅の熊谷内科医院
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医療法人社団熊谷内科医院 副院長 熊谷 健(総合内科専門医/日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医/日本消化器病学会 専門医・指導医/日本肝臓学会 肝臓専門医/京都大学 医学博士)放射線科・消化器内科の両分野の視点で診療に携わり、大学院は肝臓グループに内視鏡を専門とする。国立病院機構京都医療センターや大津赤十字病院では胃カメラ(胃内視鏡検査)や大腸カメラ(大腸内視鏡検査)での食道癌・胃癌・大腸癌手術を主に担当。