- 2026年8月23日
見つけにくい大腸ポリープとは_内視鏡専門医が解説
「見えないポリープ」があります
といったら言い過ぎかもしれませんが、大腸カメラをしていると、そこにあるはずなのに、よくよく見ないと認識できない、忍者のように周囲に同化して隠れているポリープがあります。粘液がフタのように乗っかっているタイプ。ヒダの色調と溶け込んでしまい、注意深く見ないと素通りしてしまうのです。「SSL」と呼ばれる大腸がんの一部の前駆病変(前がん病変)は、このタイプが多いことが知られています。でもこれを知らない人には「見えない」ポリープです。
ある液体をかけると、見えるようになる
こういった病変を炙り出すために、ある液体を粘膜に散布する方法があります。「お酢」です。正常と異常の輪郭がくっきり浮かび上がる、「見つけにいく検査」には欠かせない技術です。
京都で提案したら、却下されました
まだ大学院にはいる前、京都の病院で「この方法を導入しませんか」と提案したことがあります。胃では一般的な検査方法だったからです。返ってきた答えは、「大腸は酸性環境やないんやから、酸で穴が開いたらどないすんねん」……と、あっさり却下。当時はまだ一般的な手技ではなく、慎重な先生方の懸念ももっともでした。
今は有効な武器の一つに
現在この方法は病変を見つける手段として有用で、西神戸医療センターの大腸カメラ検査でもよく使われています。当院でも積極的に活用しており、実際に「これがなかったら見逃していただろうな」という病変を、何度も拾っています。
ただし ̶ 「濃度を間違えると、本当に穴が開く」
京都のあの先生の懸念は、実は的外れではありませんでした。海外の報告では、誤って濃度の高いものを散布して、実際に大腸ひどい炎症を起こした事例があります。適切に薄めれば安全で有用な手段ですが、濃度と量の管理を誤れば重大な合併症を招く ̶ そこは今も変わりません。「見つけるための工夫」の裏には、きちんとした準備と手順があってこそ、という話です。
熊谷内科医院_大腸カメラ https://kumagainaika.com/colonoscopy.html
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医療法人社団熊谷内科医院 副院長 熊谷 健(総合内科専門医/日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医/日本消化器病学会 専門医・指導医/日本肝臓学会 肝臓専門医/京都大学 医学博士)放射線科・消化器内科の両分野の視点で診療に携わり、大学院は肝臓グループに内視鏡を専門とする。国立病院機構京都医療センターや大津赤十字病院では胃カメラ(胃内視鏡検査)や大腸カメラ(大腸内視鏡検査)での食道癌・胃癌・大腸癌手術を主に担当。
神戸市西区・西神中央駅10分