- 2026年8月24日
- 2026年8月29日
脂肪肝はどう診断する?エコーで数値化するATT
「脂肪肝と言われました」
と外来でよく耳にします。今回は、脂肪肝をどう見つけて、どう追いかけるかの話。
血液検査だけでは、わかりません
AST・ALT・γGTP・・・これらが高ければ「肝臓に何かあるかも?」と疑いますが、脂肪肝でも血液検査が正常な人はたくさんいます。逆に、これらが少し高いだけで「脂肪肝です」とも言い切れません。血液検査はあくまで入口、です。
エコーで見る ̶ でも、昔は“見た目判定”でした
腹部エコーで肝臓が白っぽく光って見える(bright liver)ということは、超音波を反射する粒子がたくさんある=経験的に「脂肪肝」と診断してきました。ただ、どのくらい脂肪が沈着しているかは術者の主観。「軽度」「中等度」「高度」も、他の臓器と比較した印象ベース。数字ではありませんでした。
当院、ATT(減衰法)を導入しています
現在、当院ではエコーで脂肪の量を客観的に数値化できる ATT(Attenuation:減衰法)を導入しています。超音波が肝臓を通り抜けるときの減衰の度合いを測ることで、脂肪の含有量を数字で表す技術です。
・ 痛みなし・被曝なし・数分で完了
・ MRIやCTを撮らなくても、外来のエコーで完結できる
・ 数字で出るので、次回受診時に「良くなった/悪くなった」が一目でわかる
なぜ「数値化」が大事なのか
脂肪肝の治療は、基本的に食事と運動、脂肪肝炎になっていれば炎症を抑える投薬を行うこともあります。
肝炎は上述の肝酵素が下がれば効果が見えますが、脂肪の程度自体は評価できません。
「頑張ってくださいね」と言われても、成果が見えなければ続きません。
数字が下がっていくのを見る ̶ これが、続けるための一番の支えになります。
脂肪肝は「軽い病気」ではありません
近年、脂肪肝の一部は MASH(マッシュ)という炎症を伴う状態に進み、肝硬変や肝がんの原因になることがわかってきました。肝炎ウィルスやお酒呑みの方が減ってきたため、MASHが原因の肝硬変/肝癌が増えてきています。そして近年話題の減量薬「ウゴービ」「ゼップバウンド」や同じ成分の糖尿病治療薬「マンジャロ」が脂肪肝にも効くことがわかってきています。肝臓の治療も転換期に入っていますね。
健診で「脂肪肝」と言われた方、γGTPやALTが気になる方、一度エコーを受けにいらしてください。
熊谷内科医院_超音波検査 https://kumagainaika.com/echo.html
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医療法人社団熊谷内科医院 副院長 熊谷 健(総合内科専門医/日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医/日本消化器病学会 専門医・指導医/日本肝臓学会 肝臓専門医/京都大学 医学博士)放射線科・消化器内科の両分野の視点で診療に携わり、大学院は肝臓グループに内視鏡を専門とする。国立病院機構京都医療センターや大津赤十字病院では胃カメラ(胃内視鏡検査)や大腸カメラ(大腸内視鏡検査)での食道癌・胃癌・大腸癌手術を主に担当。
神戸市西区・西神中央駅10分